菩提寺について

万が一のお葬式の際、宗教者は葬儀社に紹介してもらえば良い！とお考えかと思います。

旧い考え方に即して申し上げますと、亡くなられた方が長男（いわゆる嫡男・家長）だった場合、実家でご先祖の御霊をその方が守って（お墓や仏壇がある）いて、本人もそのお墓に入ることを希望されていた場合は注意が必要です。

寺院の敷地内に墓所が存在している場合、かなりの確率で「菩提寺」の存在があり得ます。

単に「地方だから来るのが大変だろう！」などと気を遣ったつもりで葬儀社が紹介する宗教者に葬儀の読経や戒名の授与をお願いすることで、後々トラブルになる可能性があります。

具体的の事例は「お墓に入れてもらえない」や「戒名のもらいなおし」などです。

納骨の際に、二重にお布施などの費用負担が生じる事もございます。

葬儀社の紹介する寺院は基本的にご遺族の都合に合わせてその都度、スケジュールに余裕のある宗教者様をご紹介できますので、通夜・告別式の日程など決め易いことが最大のメリットですが、この条件が当てはまるのは、例えば「公園墓地」所有などで、過去の年忌法要なども石材店や霊園で紹介されたいつも異なるお坊さんに供養をお願いしてきた方のみ当てはまる、家庭にのみです。

万が一のご不幸の際は、この「菩提寺の有無」を冷静に確認し、わからなければ親戚などにも確認するようにしましょう。

でないと、せっかく執り行ったお葬式を地方の実家などに戻った際に「骨葬」などでもう一回やり直し・・・といった事態もないとは言えません